ゴルフボールの選び方、ゴルフボールの種類/構造編

ゴルフボールの選び方-ゴルフボールの種類構造と歴史

 

ゴルフの起源は、14世紀や15世紀など諸説がありますが、ゴルフが始められた当初は、木製ボールや革製ボールが使われていたと言われています。ゴルフボールの進化とともに、飛距離アップが実現され、ゴルフボールの現在の主流は、ソリッド(多層)ボールとなっています。2ピース、3ピース、4ピースときて、最近では5ピースも登場してきています。飛んで止まる現代の高性能ボールに至るまでのいろいろなゴルフボールの種類と構造の歴史を、ゴルフボール選びの予備知識として、紹介。

 

◆フェザリーボール

【フェザリーボール / 15世紀-19世紀中頃】

湿らせた皮革の袋の中に熱湯で浸したガチョウの羽を詰め、縫い合わせて乾燥させたゴルフボール。羽毛は乾燥することで膨張し、皮革は縮むので、非常に硬い圧縮されたボールとなった。400以上もの間、ゴルファーの使用球となった歴史的なゴルフボール。

 

◆ガッタパーチャ (ガッティ) ボール

【ガッタパーチャ(ガッティ)ボール / 1845年頃】

硬質ゴムの「ガッタバーチャ」を温めて柔らかくし、金型で球形に成型して作られたボール。今までのフェザリーボールに比べ安価で耐久性が向上し、ゴルフの普及に大きく貢献したと言われている。

 

◆表面模様加工ボール

【表面模様加工ボール / 1860年頃】

ガッタパーチャ(ガッティ)ボールに傷がつくと、飛距離が出るということで、ゴルフボールの表面に凹凸をつけることが流行し、ボール表面に網目模様を入れたボール。現在のディンプルのあるゴルフボールの原型といえる。

 

◆ハスケル(糸巻き)ボール

【ハスケル(糸巻き)ボール / 1898年-】

アメリカ人コバーン・ハスケルにより発明されたボールで、ゴムの芯に糸ゴムを巻きつけ、ガッタパーチャのカバーを被せたもの。現在の糸巻きボールの原形となったゴルフボール。 飛距離が伸び、スピン性能も良かったことから、最近の高性能ソリッド・コアボール出現まで、ゴルフボールの主流となる。※20世紀のゴルフボールの主役。

 

◆ディンプル模様ボール

【ディンプル模様ボール / 1910年-】

ゴルフボールの表面に様々な凹凸、溝、瘤など付けられた形で販売されていた1900年初頭に、イギリス人ウィリアムテーラーが凹型円形ディンプルをつけたボールを発明 (1908年特許) 。抜群の飛距離、スピンを含めた性能を誇り、1930年には市場を席巻した。

 

◆1ピースボール

【1ピースボール / 1960年-】

耐久性が良く、日本では練習用ボールとして使用されている。

 

◆糸巻きからソリッドボール、2ピースボール、3ピースボール

【2ピースボール / 1970年代頃-】

フィーリングが良く上級者が好むコントロール性に優れた、センターコアに糸ゴムを巻きつけ、カバーで覆ったボール、糸巻きボールが主流。ブリヂストンのADレクスター(1977年発売)、ダンロップのロイヤルマックスフライ(1986年発売)などが代表的な製品で、パーシモン世代にとっては、古き良き時代の懐かしいゴルフボールです。一方、高弾性特殊強化カバーと高反発コアの開発により、硬くて飛ぶソリッドボール、ツーピースボールは、1980年頃から市場に出回り始め、ブリヂストンのアルタス(1982年発売)や、ダンロップのDDH(1982年) などが代表的な製品。ただ、飛ぶけれど打感が硬いのが難点だったツーピースボールは、さらに進化し、上級者レベルの飛距離性能とアプローチスピン性能を持つジャンボ軍団使用モデルJ'sモデルやレイグランデWF(1993年)、そしてアベレージゴルファーの大きな飛距離とソフトフィーリングを両立する3ピースボール アルタスニューイング(1994年) が登場し、ソリッドボール全盛時代を迎えることになる。

 

ソリッドボール・・ 合成ゴムで出来たコアとカバーからなるゴルフボール。様々な部材の組み合わせが可能。

 

◆マルチピース (3ピース、4ピース、5ピース)

【マルチピース (3ピース,4ピース,5ピースボール / 1990年代中頃-】

高反発コアと高弾性強化カバーの間に、第2層(中間層)を設けることで、スピンや反発力といったユーザーのニーズに合わせた自由度の高い設計のゴルフボール。飛んで止まるゴルフボールが出現しました。世界初の3層構造ボールは、キャスコの「DC432」ゴルフボールで、1986年に発売されています。